今から126年前
今から126年前、1889年(明治22年)の7月1日。この日は新橋から神戸までの東海道本線が全線開通した記念の日です。
開通当時の新橋駅と神戸駅間の直通列車は1日1往復の運行で、所要時間は20時間5分。現在の新幹線だと、東京駅と新神戸駅間が2時間45分前後ですので、当時は、今の約7倍の時間が必要で、運賃は下等で3円76銭でした。
さて、この3円76銭とは、どのくらいの価値があったのか当時のお給料と比較してみると。小学校の教諭の初任給が8円くらい。現在では、20万~22万円が目安でしょうか。警察官も同じくらいだったようです。大手銀行の初任給は、これは結構高くて35円だったそうです。現在は20万弱くらいですので、明治の時代では今と違って銀行員の方がだいぶ優遇されていたようです。
なので、一概には言えませんが、小学校教諭の初任給の5割弱、銀行員の初任給の1割強ということから推測すると、現在の価値で言うと5万円は下らないという感じでいかがでしょうか?
新幹線「のぞみ」の指定席を利用した場合の東京駅と新神戸駅間の運賃が15,000円程度というのと比較しても、結構高いという印象です。
更に、明治の頃は、まだまだ初任給をもらえる様な職に就いている人の方が圧倒的に少なかった事を考えると、時間だけでなく、費用面からみても、関東と関西の距離はだいぶ遠かったようですね。
1872年(明治5年)新橋駅(後の汐留貨物駅、現存せず)と横浜駅(現在の桜木町駅)間に日本最初の鉄道が開業した後、関西で大阪駅、神戸駅間が開業し、数回にわたる路線延伸を経てこの1889年に新橋駅、神戸駅間の全線が開業して関東圏と京阪神とが鉄道で結ばれました。そして、その後、東京駅の開業や山間部でのルート変更などを経て、現在の東海道本線(全長589.5km)が出来上がっています。
もうすぐ夏休み、同じく7月1日は「青春18きっぷ」の夏季発売期間のスタートです。たまには、昔を思い出して、駅弁と窓からの景色を楽しみながらの、ゆっくりとした鉄道の旅はいかがでしょうか…